研究室概要

 慢性化した炎症(慢性炎症)はアレルギーや自己免疫疾患といった免疫疾患のみならず,神経変性疾患,循環器疾患,生活習慣病,さらにはがんや老化まで,幅広い疾患病態の形成に関わるため,炎症制御が病態改善につながる例は数多く知られています.私たちの研究は、免疫学基礎研究から慢性炎症の新規制御戦略を見いだそうとするものです.

 炎症で重要な役割を果たすマクロファージや好中球といった自然免疫細胞が、どのように炎症や組織修復を媒介するのか、そのメカニズムの詳細な解析から、炎症応答の抑制と組織修復を促す治療標的候補分子を探索・同定し、アカデミア創薬へとつなげています.自然免疫細胞が環境から受容する多彩な炎症刺激は、細胞内でエンドリソソームをハブとするシグナルとして伝達され、細胞応答を引き起こします.エンドリソソームでは、炎症シグナルが代謝シグナル・栄養シグナルとともに統合的に制御されており、このオルガネラ空間には炎症を効果的に抑制し、病態改善をもたらす創薬標的が存在します.実際に私たちは免疫細胞のエンドリソソームに局在する多機能アミノ酸輸送体が自己免疫疾患の治療標的となることを明らかにし、アカデミア創薬を実現してグローバルメガファーマへの導出に成功しました.

 私たちの研究室では、他にも治療標的候補分子を同定しており、免疫学、細胞生物学、代謝学、分子生物学、生化学の手法を幅広く駆使して、分野を超えた多くの共同研究者と学生さんらとともに、自己免疫疾患や線維症、感染症といった疾患の新規治療戦略の作出に向けた研究が進んでいます.

お知らせ

東京大学大学院 理学系研究科 生物化学専攻

分子炎症免疫学研究室 反町研究室

〒113-0032 東京都文京区弥生2-11-16

Sorimachi Laboratory

Molecular Immunology and Inflammation
Department of Biological Sciences, Graduate School of Science
The University of Tokyo

2-11-16 Yayoi, Bunkyo-ku,Tokyo 113-0032, Japan

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